公認会計士への道

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Q014:管理の合格点獲得戦略(短答)

松本先生、こんにちは。

 

LEC受講生です。いつも楽しく読ませていただいています。
先日の短答式試験が不合格だったので、12月に向けて勉強し直しています。

 

私は管理の計算が苦手です。
落ち着いてゆっくりと考えればわかるのですが、答練や試験では焦ってしまって全く解けなくなってしまいます。
結果、1つの問題に見切りをつけるのが早くなり、複数の問題をつまみ食いしたけれどどれも最後までたどり着けなかった、という事態になってしまいます。

 

得意な分野があれば、「この問題だけは解く!」と精力を1つの問題に集中させることもできるのかもしれませんが、私は特に得意な分野も特に苦手な分野もありません。

 

問題演習や、答練・模試の演習が足りていないのでしょうか。それとも、マインドの問題でしょうか。
状況打開へのアドバイスがあれば、ぜひお聞かせください。(匿名希望)

 

どうも、松本です。

 

この質問も多かったです。

 

うんうん、分かる分かる。

 

時間内に解ききれない場合、以下の3つの原因が考えられます。

 

1.時間配分の問題

 

2.計算の演習量の問題

 

3.マインド(考え方、向き合い方)の問題

 

以下、順に対処策を考えていきます。

 

1.時間配分の問題について

 

管理が現状の短答科目の中では、最も立ち回りの仕方如何で得点が変わる科目であることは間違いないです。

 

H29年第2回の短答では、計算7問、理論9問を60分で解く必要がありました。(以下、これを前提に話を進めます。)

 

まず、最初に言いたいこと。

 

それは

 

最初から満点を諦める勇気を持とう

 

ということです。

 

一般的な時間配分だと

 

☆計算1問5分プラン

 

計算:1問5分×7問=35分
理論:1問2分×9問=18分

 

残り7分で見直し&手直し時間に。

 

または

 

☆計算1問6分プラン

 

計算:1問6分×7問=42分
理論:1問2分×9問=18分

 

のような時間配分になるのが一般的かと思います。

 

ただし、この配分は完答を前提にした時間配分です。

 

ここでは、少し視点を変えて合格点を取るための時間配分というものを提唱してみます。

 

まずは、改めてこの試験の特徴です。

 

1.60分一本勝負(H27年@より変更。昔は監査と管理で合わせて2時間の時代がありました。)

 

2.計算7問:55点(傾斜配点があるが1問7点〜9点の間)、理論9問:45点(傾斜配点はない。1問5点)

 

3.合格点は60点〜70点(H27年@以降、合格点が70点超はありません。)

 

ここから言えること。

 

それは、

 

管理については、30点(最悪40点)は切ってもいい試験であることが分かります。

 

落とすのは、計算2問 (15点)、理論3問(15点)のようなイメージでしょうか。

 

確保するイメージとしては、

 

計算は7問中5問

 

理論は9問中6問(原価計算基準4問)

 

これで70点です。

 

これを戦略的に獲得する秘策をお教えしましょう。

 

以下、私がおススメする時間配分戦略です。

 

☆計算1問7分プラン

 

最初から解かない計算問題を2問見定める。(ここがポイント!)

 

計算は前半から着手し35分時間をかける(1問7分)

 

理論は中盤から解き始め、15分時間をかける。{1問2分(6問〜8問)}

 

残り10分はチャレンジタイム

 

計算2問と理論2,3問が残っているが意に介してはいけません。

 

もう合格点は取っているからね。

 

残り10分において、理論は2択に絞ることを目標にすればOK

 

計算は捨ててもOK

 

つまり1問7分の時間をかけても、十分合格点を取ることは可能なのです。

 

焦らずゆっくり正確性を重視した学習を心掛けましょう。

 

更に、合格点が60点〜70点であることを前提にするならば、下記のような1問8分プランや1問10分プランも提唱可能です。(この場合は、「原価計算基準」4問の完答は必須です。)

 

☆計算1問8分プラン

 

1問8分×5問着手(4問32点の確保を目標)

 

10分で原価計算基準4問完答 20点

 

残り10分で理論を5問中2問取りに行く。⇒10点

 

計算4問確保の場合は62点、計算5問確保の場合は70点前後の得点が見込めます。

 

☆計算1問10分プラン

 

1問10分×4問着手(取る4題と切る3題を見定める。)

 

10分で原価計算基準4問完答 20点

 

残り10分で理論5問に着手

 

2問取れれば62点、3問取れれば67点

 

意外と合格点をベースにした時間配分だと、そこまで焦って解く必要がないことが分かります。

 

なお、計算が焦って手につかなくなる方は、計算から開始することをおススメします。

 

例えば残り6分で、6分要して解ける問題を解ききるのは相当なプレッシャーです。

 

このように60点から70点取ることを目標にすれば、1問7分〜10分近い時間をかけることも戦略上はありなのです。

 

100点取ろうと思って手を広げすぎるから50点しか取れないのです。

 

それならば、初めから70点に絞って、65点を取りに行く方が受験巧者です。

 

松本講師おススメの時間配分

 

ちなみに私の解き方は講義中に指摘していますが、下記の通りです。

 

解きやすい問題Aランク(計算⇒理論)1周目:時間は未定

 

勝負の問題Bランク(計算⇒理論) 2週目:時間は未定

 

めちゃムズ問題Cランク(理論⇒計算はサイコロ転がし) 3週目:時間は未定

 

解きやすい問題(Aランク)というのは、簡単な問題得意分野からの問題時間がかからない問題見たことある問題、などです。

 

勝負の問題(Bランク)というのは、少し捻られているけど、解けそうな問題時間さえかければ答えが出せそうな問題、などです。

 

めちゃムズ問題(Cランク)というのは、自分にとって難解すぎて、手も足も出ない問題です。

 

AランクからCランクは自分の主観その場で決めていきます。

 

何となく嫌な予感がするからCランク、時間がかかりそうだからBランクみたいな感覚です。

 

私は感覚で解いていましたが、今の試験なら問題用紙にランク付けをしながら全部の問題に目を通してから解きに行きます。

 

時間配分は固定的ではありません。(ここがポイント!)

 

解きやすいAランクの問題が多ければ1周目に要する時間は多くなります。(1周目で合格点確保でしょう。)

 

逆にAランクの問題が少なければ、1周目に要する時間は少なくなり、その分2週目以降に要する時間は多くなります。

 

この方法のメリット

 

例えば、本試験で下記のような状況だったとします。

 

Aランクは計算理論合わせて3問しかなく15分要しました。

 

Bランクは計算理論合わせて9問着手し、40分要しました。

 

残り5分の時点でCランクが4問ありますが、焦る必要はありません。

 

なぜなら、自分の力はもう出しきっているからです。

 

理論は2択まで絞れないか考察を加えますが、計算はもはや運否天賦の世界です。六角形の鉛筆で運を天に任せるのも良いでしょう。

 

この方法だと絶対に後悔することはありません。(解けたのに時間が足りなかった的なことが起こり得ないからです。)

 

弾力的な時間配分方法ではありますが、結局のところ「試験時間は得点力に対して振るべき」であって、「試験時間は配点に対して振るべきではない」というのが私の考えです。

 

管理会計論的に言えば、

 

試験時間は変動費的な用役消費量(アクティビティー)で配分すべき

 

試験時間は固定費的な用役消費能力(キャパシティ)で配分すべきではない

 

という思考です。

 

10分要しても取れない問題には、初めから時間をかけに行かない。

 

ロジカルシンキングの究極は、合理的思考に行きつきます。

 

決して試験では感情的になってはいけません。

 

以上が、おススメの時間配分についてのお話しです。

 

2.計算の演習量の問題について

 

質問者さんは、「私は特に得意な分野も特に苦手な分野もありません。」と書いてくれています。

 

これはね、演習量不足ですよ。完全に。

 

得意分野も苦手分野もない人というのは下記の2つのタイプだけです。

 

・得意な人(計算が得意ゆえに、苦手分野の克服も高いレベルで終わっている人)

 

・無関心な人(演習に対する思い入れがなく、考えながら解く習慣が身に付いていない人)

 

質問者さんは後者の可能性が高いです。

 

演習をこなしていけば、自ずと各分野ごとに特徴や傾向が表れてくるはずです。

 

何度やっても間違う⇒自分は不得意かも⇒苦手意識が生まれる。

 

不思議と間違わない⇒この分野好きかも⇒得意意識が生まれる。

 

みたいな感じです。

 

こういった傾向が出てこないということ自体、演習の絶対量が足りないと言わざるを得ません。

 

ビジネスの世界でよく言われる法則の一つに「量質転化の法則」というのがあります。

 

たくさん行動して量をこなしていけば、やがて質が向上するという法則です。

 

量がやがて質に転化する」という極めて本質的かつ普遍的な法則とも言えます。

 

換言すれば、初期の段階から質は高められないので、最初は徹底的に量をこなすことを優先すべきという考えです。

 

質(解答への精度や正確性)を高めようと思えば、まずは量(問題に当たって実際に解く数)を増やしていきましょう。

 

そして、演習は簡単な良問を反復する習慣を徹底して下さい。

 

なぜか?

 

それは、「本番での取捨選択の精度を高めるために必要」だからです。

 

「これを取って、これを切って」といった判断材料は往々にして過去の経験がものを言います。

 

簡単な良問を反復していれば、取捨選択の質(精度)も高まります。

 

とどのつまり、演習量をこなす最大の目的、それは、

 

本番で取るべき問題と切るべき問題を見定める力を養成することと

 

取るべき問題を取りきる力を養成すること

 

の2つにあります。(試験で満点を取るために演習量をこなす訳ではありません。)

 

3.マインド(考え方、向き合い方)の問題について

 

最後に、マインドについての対処法を。

 

これはいかに「本番環境を意識した学習ができるか?」にかかっています。

 

そこで、マインドが鍛錬されるおススメの勉強法を下記に示します。(私もやっていました。)

 

1.管理の問題集や答練から無作為にマークシートの問題を10問ピックアップする。

 

2.喫茶店かファミレスへGO!

 

3.カウントダウンのタイマーを60分にセットする。(時間が来たら、大きな音が鳴る方がよい。)

 

4.いざ、60分計算演習10問勝負!

 

これ、やってみてください。めちゃ焦ります。マジで集中します。

 

なぜなら、アラーム音がうるさいので、60分以内に絶対に止めようと必死になるからです。

 

自宅では緊張感に欠けますし、図書館ではマナー違反になります。

 

喫茶店やファミレス等の若干ノイズに晒される環境下で実施することをおススメします。

 

自分を律する環境は、工夫次第で形成可能です。

 

今や短答試験では、管理が最も戦略が重要な科目になっています。

 

色々な方法を試して、一番しっくりくる戦略で本試験を突破することを心より願っています。

 

以上です。

 

参考にして頂ければ幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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