公認会計士への道

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5月短答後の過ごし方

いつもお世話になってます。
Lec受講生の者です。

 

先日行われた短答試験を受験しましたが、
思うような点数がとれずに終わってしまいました。

 

私自身、今回の試験で絶対決めるという
自分なりの強い気持ちをもって日々勉強に
取り組んでいましたが、このような結果になってしまい、毎日悔しくてたまりません。
そして、その悔しい気持ちは日に日に増しており、うまく気持ちの切り替えができずにいます。

 

気持ちを切り替えて勉強に取り組めるように、何かよいアドバイスをいただけないでしょうか。

 

よろしくお願い致します。(原文のまま)

 

匿名希望

 

記念すべきお悩み相談第1号は、平成29年第U回受験生の方からの投稿です。

 

今回の短答に駆ける思いが強すぎた結果、不合格であるという状況を中々受け入れられず
気持ちの整理がつかない

 

どうしたらいいか?

 

というご質問ですね。

 

下記に私が提案する「この時期に気持ちを切り替えるための具体的な方法を7つ」挙げてみました。

 

6月、7月のおススメの過ごし方7選

 

@主要科目のやる気がないのであれば、租税法と選択科目の学習を集中してやる。

 

A主要科目のやる気があるのであれば、理論3科目(企業、監査、財表)について「ラダリング」をやってみる。

 

B合格発表までは、勉強から完全に離れる。(リフレッシュに専念する。)

 

C簿記や管理会計論のマイナー計算論点を潰す時間に当てる。

 

D全経簿記検定の上級試験や税理士の簿記論・財務諸表論にチャレンジする。

 

E大学生であれば、上半期の試験で取れる単位は極力取得しておく。

 

Fお金が必要なのであれば、短期アルバイトでドカッと稼いでおき、来年8月までの生計の目途を立てる

 

 

順次、説明を加えていきます。

 

@主要科目のやる気がないのであれば、租税法と選択科目の学習を集中してやる。

 

燃え尽き症候群になり、主要科目について問題集やらテキストを全く見たくもない

 

という方は、租税法と選択科目の勉強をこの時期に開始することをおススメします。

 

どの道、来年8月の論文を目指すうえで、この租税法と選択科目については学習を避けることはできませんから、
主要科目のモチベがないのであれば、当該2科目の勉強からリスタートを切る

 

というのは、良い時間の過ごし方だと思います。

 

この時期に学ぶべき個人的おススメ科目は所得税法です。

 

合格後は税務についての相談を友人や親族・知人から受けることも多々あります。

 

税金についてのリテラシーを高めておくことで、身近な人の税務相談にのることが可能になります。

 

納税は国民の義務ですが、節税は国民の権利です。

 

特に個人にまつわる税金は身近なものが多いため、いくばくかの興味を持って講義を受けたり、
問題を解いたりする気が起きるのではないでしょうか。

 

今はやりの、ふるさと納税は寄付金控除に該当しますし、

 

私なんかは独立開業している関係上、小規模企業共済にも加入しているため、
その掛金控除は所得控除に当たり、節税の恩恵を受けることができます。

 

そういった合格するために必要な知識は合格後にも当然必要な知識を構成するわけで、
その意味でも、この時期に税金について学習することはおススメです。

 

A主要科目のやる気があるのであれば、理論3科目(企業、監査、財表)について「ラダリング」をやってみる。

 

@とは異なり、主要科目のやる気がある場合、特に理論科目についてはこの時期に徹底して「ラダリング」を行う
というのも効果的な時間の過ごし方だと思います。

 

ラダリングとは本来、マーケティング用語なのですが、簡単に言うと

 

「なぜ?」をひたすら繰り返すこと

 

を指します。

 

具体例で説明してみます。

 

とある化粧品会社の企画会議にて・・・

 

--------------------------------------------

 

あなたにはなぜ、化粧乳液が必要なのですか

 

お肌のお手入れをしたいからです。

 

なぜ、お肌のお手入れをしたいのですか?

 

美しくなりたいからです。

 

なぜ、美しくなりたいのですか?

 

美人になって、周りから脚光を浴びたいからです。

 

なぜ、周りから脚光を浴びたいのですか?

 

自己重要感が満たされ、幸福な気分になるからです。(これがゴール)

 

この場合の化粧乳液のキャッチフレーズ

 

それが、

 

「あなたの心を潤す幸せ美肌乳液」

 

--------------------------------------------

 

このキャッチフレーズでマーケティングを展開していく。

 

現代におけるマーケティングで必ず実践されている手法

 

それが、「ラダリング」なのです。

 

では、なぜ理論科目についてラダリングを行う必要があるのでしょうか。

 

この理由はここで記載すると長くなるので
別のご質問に対する回答として記載しております。

 

こちらの記事をご覧下さい。

 

会計処理について「なぜ?」を自問すること

 

これは、すごく時間がかかりますが、
その恩恵は計り知れないものがあります。

 

だからこそ、この時期にやるべきだと私は思います。

 

B合格発表までは、勉強から完全に離れる。(リフレッシュに専念する。)

 

証券市場には、「休むも相場」という格言があります。

 

これは、売るべし、買うべし、休むべしを唱えた本間宗久という人の教えであり、

 

売るべし=上昇相場局面で売却
買うべし=下降相場局面で購入
休むべし=よく分からない局面なら休む

 

という意味になります。

 

短答受験後に、何をやっていいかよく分からない

 

という状態であれば、完全なリフレッシュを決め込んで勉強から離れるという選択肢も
「全体の受験勉強の流れ(局面)の中で必要なこと」だと私は思います。

 

つまり、

 

「休むも勉強」(By 松本翔)

 

なのです。

 

「何をしていいかよく分からない」という状況は一種の混乱状態であるので、
下手に或いは無理して勉強に専念すると、却って逆効果
ということも往々にしてあり得るのです。

 

ご自身の過去の経験に照らして、オーバーワークによる反動を受けたことがある方は、
ここは、無理して勉強せず、気持ちを切り替えるべく勉強から離れることをおススメします。

 

 

C簿記や管理会計論のマイナー計算論点を潰す時間に当てる。

 

私は簿記の上級講師もやっており、短答問題集については問題ごとに詳細な解法テクニックを記載しています。

 

今回(平成29年第U回)の受験生と話をして感じたこと

 

それは、

 

個々の受験生が苦手論点を勝手に重要度Cランクにすり替えている

 

という事実でした。

 

 

在外支店や報告セグメントの決定などは、
講義中に解くべき論点として、重要度Aランク又はBランクにしているにも関わらず、

 

「難解な論点だから、これは解く必要がないだろう。」

 

とか

 

「前回出題されたから、今回はないだろう。」

 

のように、解かなくても良い自分を正当化している状況を目の当たりにしました。(思い当たる人も多いはず。。。)

 

特殊商品切っていいなんて、誰が言いました?
売価還元法やらなくていいなんて、誰が言いました?

 

少なくとも私の講義を入門から上級まで聴いていた方には、やる必要がないなんて私は一切言っていないです。

 

自分でできない理由、やらなくて良い理由を正当化する

 

不合格者の弱さがそこにあります。

 

その意味で、同じ問題集でも得意な論点だけ5回転、苦手な論点は1回転

 

みたいに自己流で重要度を付けて、回転数にムラがある人

 

該当する人はこの2ヶ月を自己流マイナー論点の克服期間に充てる。

 

これはおススメです。

 

 

D全経簿記検定の上級試験や税理士の簿記論・財務諸表論にチャレンジする。

 

個人的に7つある中で一番のおススメがこれです。

 

全経とは全国経理教育協会が主催する簿記の検定試験になります。
(サイトはこちら

 

 

社会的地位としては
日商簿記1級≒全経簿記上級

 

であり、日商1級よりも理論についての記述問題が多い

 

という点で、会計士受験生にも人気の資格です。

 

例年、7月中旬に実施されるので、会計士の勉強を本格化する前の
準備段階として、この全経にターゲットを合わせる

 

これにより

 

・簿記
・財務諸表論
・管理(計算)
・管理(理論:原価計算基準)

 

の力が底上げされるため、会計学全般に磨きをかけたい会計士受験生にはチャレンジの一考に値するかと思います。

 

合格率も例年20%を切る試験ですので、
油断していると普通に落ちます。

 

申込期間は日商簿記検定の翌日まで(平成29年だと6月12日(月)まで)です。

 

 

全経受けるにあたっての注意点が2つほど。

 

1.上級の資格以外は取得しても無意味(全経1級、2級等)⇒知名度と価値がないからです。
2.なぜか本社工場会計が頻出する(意味不明)⇒出たら潔く諦めましょう。会計士試験では不要です。

 

 

また、8月には税理士試験の簿記論、財務諸表論があります。

 

ただ、税理士試験は全経よりも時間をかけた対策が必要(特に「財務諸表論」)
になりますので、個人的には、そこまで踏み込んだ対策をせずに
気分転換がてら、モチベーション維持を目的として受験することをおススメします。

 

 

E大学生であれば、上半期の試験で取れる単位は極力取得しておく。

 

大学生の方は、7月〜9月までに前期試験がある大学が多いと思います。

 

来年の同様の時期は論文に専念できるよう、単位は取りこぼさないように集中して取得しておくと
後が楽になりますよ。

 

ちなみに、大学の授業なんてクソみたいな雑学しか提供してくれず、公認会計士として、或いは経営者として、又は投資家として生きていくうえでは、全く役に立ちません。(キッパリ!)

 

文系(社会科学系)の学部なんて、存在価値は本当に限りなく0に近いとすら思います。(実社会で使えないという点について)

 

 

一点だけ、単位取得の際の注意点を。

 

それは、

 

大学の成績は限りなく「可(C)」のようなすれすれの成績でOK

 

ということです。

 

バカ正直に「優(A)」を取ろうなんて考える必要は全くありません。

 

リスクアプローチよろしく、限りある時間は効果性と効率性を同時追求する必要があります。

 

一般的に、在学中合格者の時間配分

 

大学1:受験予備校9 ⇒大学の成績は下位、会計士受験の成績は上位

 

ぐらいの割合になるかと思います。

 

 

不合格者の時間配分は

 

大学5:受験予備校5 ⇒大学の成績は中位、会計士受験の成績は下位

 

みたいな感じでしょうか。

 

何事も中途半端が一番ダメです。

 

大学の立ち位置は、平均的な大学生のそれとは異なります。

 

あまり、周囲の意見(特に「LINE」等のSNSは要注意)に流されないようにしましょう。

 

 

ちなみに、監査法人の面接の際には、大学の「成績証明書」なんて出しませんので。

 

一方で、論文の「成績証明書」は提出します。

 

これが何を意味するかは、ご自身でよく考えてみましょう。

 

 

Fお金が必要なのであれば、短期アルバイトでドカッと稼いでおき、来年8月までの生計の目途を立てる

 

これは、無職で専念して5月短答が惜しかった方におススメできる過ごし方です。

 

6月7月の2ヶ月を「フリーター」にジョブチェンジして、来年8月までの資金的な目途をつけておくと、
今後、勉強を再開する際の心理的な負担が軽減します。

 

職種については、必ずしも会計系に限りません。「短期・高収入」であれば、
反社会的行為でない限りは何でも良いと思います。

 

(私もやってましたよ、アルバイト。飲食店で地面に落ちた冷凍から揚げを、シレっとフライヤーでこんがり揚げてお客に食べてもらったのも今となっては良い思い出です。)

 

以上が、この時期(6月、7月)のおススメ過ごし方7選でした。

 

 

目的もなく、ヤル気もなく、ただただ時間が過ぎ去る

 

という時間の使い方だけは絶対にやってはいけません。

 

勉強のヤル気がないなら、明確な目的を持って遊んで下さい。アルバイトをして下さい。勉強から離れて下さい。

 

時間にもお金と同じく「投資」「消費」「浪費」という概念が存在します。

 

時間の「浪費」だけは絶対に後悔します

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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