僕は君たちに武器を配りたい
どうも、松本です。
もう今から何年前のことでしょうか。
慶応大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)のAO入試に挑む1人の高校生の女の子がいました。
その子のご両親から、「SFCのAO入試には2名の推薦人が必要なのですが、そのうちの1名を松本先生にお願いできますでしょうか。」
と言われました。(こんなこともやっている。)
当時より公認会計士、税理士、投資家、経営者であった私が推薦書を書いた彼女は、無事にAO入試に合格しました。
合格祝いに私が彼女に渡したプレゼント、それが「僕は君たちに武器を配りたい」でした。
ブログのタイトルである「僕は君たちに武器を配りたい」というのは、京都大学の客員准教授であり投資家でもある瀧本哲史先生が2011年に刊行された書籍です。
僕は君たちに武器を配りたい(通称:ぼくぶき)は当時ビジネス書としてベストセラーになりました。
生き残るためには「スペシャリティ」な人間になること。「唯一の人」になれ!
専業主婦はハイリスク。「婚活」ブームに踊らされずに、女性もキャリアを目指せ。
現在人気の企業でも40年後は消滅している可能性が大。就職ランキングに騙されるな!
など、今でも通用する「生きた実学」を学べる最高の良書です。
論文が終わって将来のことを考える受験生の皆さんには、是非読んで欲しい一冊になります。(一応リンクを貼っておきます。)
なお、瀧本先生は2019年8月10日に若干47歳の年齢にして病気によりお亡くなりになりました。
私も瀧本先生に強く影響を受けた一人でした。心よりご冥福をお祈りいたします。
さて、話はここから「ぼくぶき」を含むビジネス書を読む際の、重要なポイントに移ります。
ビジネス書を読むときのルールは全部で3つあります。
@自腹で買って、A著者と対話する気持ちで、Bマーカーや線を引きながら読むことです。
以下で一つずつ解説していきます。
@について
自己投資は自腹を切ることが鉄則です。(本気度が違います。)
お金がないことを理由に図書館で借りて読むだけでは、全く意味がありません。身にならないからです。
知っている、とか読んだことがある、では意味がありません。
実践している、とか身についている、ことに意味があります。
だから、図書館は本を借りる場所ではありません。買う本を探しに行く場所です。(多分、99%の人が勘違いをしています。)
Aについて
本は時空を超えた著者との対話です。
著者が紡ぐ文章を通して、著者の価値観に触れたり、追体験ができたりします。
歴史上の偉人と対話できる貴重なツールなのです。
今の時代に松下幸之助が存命で経営コンサルをお願いすれば、軽く1時間1,000万円ぐらいかかると思います。
それが本ならわずか1冊1,000円程度で手に入ります。
Bについて
本は、高校野球選手の泥だらけのユニフォームのように、マーカーやペンを用いてどんどん汚していくべきです。
参考までに、私の座右の書の一つでもある「60分間企業ダントツ化プロジェクト」での実例を示します。
まず最初にがっつり読んだ日付を記載しています。(日付ごとにマーカーを変えるのがポイント)
そして、私が思ったことや感じたこと、実践することを余白に書き込んでいきます。
書き込んだ部分やマーカーした箇所について後日、全体を俯瞰しながら通読していきます。(これを何回も繰り返します。)
私は覚えるために本を読むことはありません。
その本から重要なエッセンスを吸収して、実践するために本を読みます。
更にこれに関して、アカ凸講座で提供している簿記用の「短答総合問題集(第7問)講師からのコメント」が参考になります。
下記にそのまま引用しますので、どうぞ続けて読んでみて下さい。(良いこと書いてますよ、我ながら。)
ここから
さて、あなたはこんな逸話を聞いたことがあるだろうか。社会的・経済的に成功を収めた A 氏(以下、「先生」)とその弟子との対話である。
弟子「先生の言われた通り、『7つの習慣』(有名な自己啓発本)を読みましたが、先生みたいに成功することができません。それはなぜなのでしょうか?」
先生「君は7つの習慣を何回読んだのかね?」
弟子「えーと、1回です。」
先生「だからだよ。君は一度読んだものは出来ると錯覚している。私はかれこれ20回以上読了しているよ。
毎年、新年には必ず読み直すようにしている。毎回新しい発見があるし、読むたびに成長を感じることができる。
一度読んだだけで理解でき、記憶に定着できるほど、人間の脳は優れてはいないよ。
だから良いと思ったものはとことん反復する必要があるんだ。
君が成功できないのは、一度読んだものを出来ると錯覚し、繰り返す必要がないと判断したそのマインドにあるんだよ。
7つの習慣を自分の中に血肉として落とし込んだ者は、間違っても成功できない理由を他者に尋ねたりしないからね。」
弟子「・・・(絶句)・・・私の考えが浅はかでした。一から出直します。」
はい、ここまで。
勘違いしてはいけないので、補足をしておきますが、先生は弟子に7つの習慣を20回以上読んで欲しい、と言っている訳ではありません。
換言すれば、7つの習慣を読んだ回数が少ないことを問題視しているわけではありません。
先生は7つの「習慣」が弟子によって習慣化されていないことを問題視したのです。
上記@にも記載したことですが、重要なことなので再掲します。
それが、
知っている<<<<<実践している
です。
これは、知っていることよりも実践していることの方がはるかに価値がある、ということを意味します。
習慣は人間の潜在意識下において無意識になされる行為ですので、実践しない限りは習慣化できません。
こういう習慣を持つことが重要である、ということを単に知っていても、事実として習慣化されていなければ何の意味もありません。
だから実践しましょうよ、と。
アカ凸講義でもお話している通り、「知る」はダウンロード、「実践する」はインストールです。
自己啓発本は本を読むこと自体が目的ではありません。
その本から得た学びを実践し、自分のものにすることが目的です。
実学は座学に勝る。 これは絶対の真理です。
そしてこの真理は何も自己啓発本やビジネス書に限ったことではなく、会計士の実務においても妥当します。
学ぶため(インプットのため)に本を読むのは二流の思考です。(会計士でも、イマイチな人に多い)
使うため(アウトプットのため)に本を読むのが一流の思考です。(会計士では、優秀なキレモノに多い)
現在は完全に「インストール&アウトプット思考」の時代です。
もう少し異なる表現をするなら、「やったもん勝ち」の時代です。
「いつかやろう。」とか「後で機が熟した時に考えよう。」などとは決して思考してはいけませんよ。
機なんて熟しませんし、人生は出し惜しみするほど長くはありませんから。
起業して分かったことですが、物事や状況は何も手立てを講じなければ、経年で悪化していきます。
つまり、基本的に良くなることはありません。
令和元年度の監査法人のリクルート活動は飲酒を伴う飲み会が4大の就職協定により禁止されました。
昨年までは大丈夫だったのに、です。
比較的規制の緩い会計士業界の就職事情ですらこの有様です。
いわんや、一般企業においてをや。あな恐ろしや。
「いつかきっと未来は明るくなる、だからその時が来るまで祈りを捧げましょう。」
こういった、どこかの新興宗教の謳う安っぽい教義が現実化することなど、100%絶対にありません。
祈ってたって、未来は一向に明るくなりません。
行動に移さないと。
経年で悪化していく状況の改善に直接繋がる行動が不可欠です。
バラ色の未来は、バラ色の夢の実現によってなされる訳ではありません。
バラ色の未来は、極めて現実的な目標達成の積み重ねによってしか形成されません。
だから、もう一度繰り返します。
行動に移さないと。
今の時代、ITを高度に駆使することで、あらゆる分野への挑戦のハードルは一昔前よりも大きく下がりました。
有史以来初、成功ノウハウがほぼ無償で手に入る時代に突入しました。
中卒の有名ユーチューバーが、行動しない自称高学歴の勝ち組を経済的に凌駕することが可能になりました。
学歴だけで評定されていたかつての時代には考えられないほど、エポックメイキングな新下剋上時代の到来です。
逆説的に、知識やノウハウによる差別化が困難な時代へと続く不可逆的なパラダイムシフトが起こっています。
だから、専門知識だけにコミットする会計士は、これからどんどん苦しくなってきます。
代替性が効くし、収益力が限りなく0に収れんしていくからです。
コミュ力に難はあるが、学歴は高いし、難関資格のホルダーになれば人生安泰だ、なんて考えているそこのあなた。(違ってたらすみません。)
めちゃくちゃ古いです、価値観が。
陸上トラックで言うと、5周ぐらい遅れています。
時代で言うと、2つ前(昭和後期)ぐらい遅れています。
また、どこかでブログの記事にするかもしれませんが、2024年上期を目途に日本の紙幣が刷新されます。
10,000円札の肖像画は福沢諭吉から渋沢栄一に変わります。
渋沢栄一は東京急行電鉄(東急)やみずほ銀行、帝国ホテル、王子製紙、キリン、サッポロ等の設立に関与した実業家です。
これが何を意味するか分かりますか?
それは、
我が国最高額の紙幣=資本主義の象徴が、学問(福沢諭吉)から実務(渋沢栄一)へとシフトする変遷
を意味します。
渋沢栄一はトータル500社以上の会社の設立に関与したと言われています。
正に「インストール&アウトプット思考」の象徴的存在です。
学びて富み、富みて学ぶ から 動いて富み、富みて動く の新時代へ。
8月の論文受験を終えたばかりの受験生は、自身の将来のキャリアやライフデザインについて考察する時間的余裕があります。
良かったらこの記事を何度も熟読してみて下さい。
そして、思うところを実践してみてください。
まやかしが効かない新時代を生き抜くために必要なことは何なのか、じっくりと考える機会にして頂ければ幸いです。
以上です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
2019年8月31日 松本翔
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