公認会計士への道

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Q011:社会人の合格までに必要な勉強時間

こんにちは。

 

私はLEC生かつ社会人受験生です。去年の11月頃から松本先生の講義を受講しており、今年の12月短答合格を目指しております。
社会人受験生で短期で試験突破をしている方の具体的な勉強量やスケジュール感が知りたく、今回相談をさせていただきます。

 

私は、平日であれば平均4時間ほど、休日であれば平均10時間ほど勉強しております。勉強の現在のフェーズとしては、答練を受けはじめていて、これから弱点の克服、アウトプット(過去問等)、上級講義に時間を割こうとしています。勉強の媒体はLECの教材をフル活用しています。

 

私のスケジュール感、方向性はあっていますでしょうか?もっとこうした方がいい等ご指摘ございましたらご教示願います。通信でいまいち周りの進捗状況が分からず、淡々と勉強を進めているのですが、社会人で受かっていく方がどのように勉強を進めているのかが知りたいです。(メンタル面が最も重要な点は痛感しております。今回はあくまで、定量的な勉強量での質問です。)

 

長々とすみませんでした。
私含め、他の社会人受験生にとって有益である質問だと我ながら思います。笑
宜しくお願い申し上げます。(匿名希望)

 

どうも、松本です。

 

うん。有益な質問だと私も思います(笑)

 

今回は

 

社会人受験生(合格者)の勉強量

 

を中心にお答えしていきます。

 

ズバリ、結論から言うと、学生と大差がない。というのが正直な答えになります。

 

つまり、社会人だから云々ではなく、合格者としてやるべきことは学生も社会人も変わらないということです。

 

1つ、分かりやすい、そして衝撃的な事実をご紹介します。

 

それは、昨年の論文合格者の職業別内訳です。

 

☆H28年度 論文合格者(職業別内訳) データソースはこちら

職業別受験生

受験者数

合格者数

合格率

学生

1,013

543

53.6%

各種学校受講生

721

252

35.0%

無職

519

143

27.6%

無職合計

1,240

395

31.9%

会社員

386

70

18.1%

会計事務所員

165

56

33.9%

公務員

72

14

19.4%

社会人合計

623

140

22.5%

 

各種学校受講生というのは、受験学校に通って専念している人のこと(LEC生とかTAC生とか大原生とか)を指します。

 

だから、「無職」と同じです。(受験願書に本人が無職と書くのか、各種学校受講生と書くのかの違いだけです。)

 

各回の短答受験には、合格者の職業別内訳の公表がありません。(H29@とか、H29Aとかの各回は不明)

 

なので、ここは論文を事例にしました。

 

昨年の論文合格者(1,108名)に占める職業は学生が49%、無職が36%、社会人が12%という内訳です。

 

合格率は学生が一番高く、54%、次に無職が32%、最後に社会人が23%となっています。(誤解を恐れずに言えば、論文合格率は年齢が若い人ほど高く、年齢が高い人ほど低いです。)

 

このことから判明する、会計士試験の重要な特性が導かれます

 

1.結局は、勉強時間を確保した者が圧倒的に有利な試験であるということ

 

2.社会人としての業務経験は、会計士試験においてはほとんど意味を有さないということ

 

論文合格者の85%は無職と学生という、およそ「世の中で彼ら以上に勉強することは不可能」と言えるほど、勉強に専念できる人で占められています。

 

そして、社会人の場合、例えば会社で経理をやっている、法務部門に努めているから会社法に触れている、会計事務所に勤めているから法人税の仕組みが分かる・・・

 

こういった会計士試験に有利になるような業務経験をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。

 

が、こと「受験」に限って言えば、それが有利に働くことはあまりありません。(社会人の論文合格率23%が物語っています。)

 

(合格後の会計士の「実務」に関して言えば、めちゃくちゃ有利なのですが。。。)

 

要するに、「四の五の言わずに、黙って勉強しろ!」というのが、本気で受かりたい社会人受験生に対して言いたい私の本音です。(「本気」には「本音」で応えますので。)

 

そして、それを本気で実践してくる。

 

それが、質問者さんが聞きたい「社会人合格者」の実状なのです。

 

だから、質問者さんにお答えします。

 

社会人合格者に特有の勉強方法というのは、ありません。(学生や無職の合格者と同じことをやっています。)

 

そして

 

社会人受験生で短期で試験突破をしている方の具体的な勉強量についても、同様です。(学生や無職の合格者と同じ量を取っています。)

 

こちらの記事で会計士試験に必要な勉強時間について言及しました。

 

一般に短答試験合格者の勉強時間は、最短で2,000時間平均で3,000時間です。

 

社会人だから、この時間が変動するということはありません

 

取ってきますよ。合格する社会人受験生は。この勉強時間を。

 

1週間で50時間ぐらい、彼ら彼女らは平気で勉強してきます。

 

平日1日6時間×5日=30時間
土日1日10時間×2日=20時間

 

1年は52週ですから、50時間×52週=2,600時間

 

1週間で40時間を確保するならば、

 

40時間×52週=2,080時間

 

現実的な内訳は

 

平日1日4時間×5日=20時間
土日1日10時間×2日=20時間

 

平日1日6時間×5日=30時間
土日1日10時間×1日=10時間(どちらかは休み)

 

が妥当な勉強時間だと思います。

 

ちなみに最近の会計士試験は、上述したとおり、学生が論文合格者の半数に迫る勢いであり、合格者の若年化が進行しています。

 

となると、勉強は「火力」勝負の時代に突入したと言えます。

 

3,000時間は10時間×300日で達成する時代です。

 

2時間×1,500日のような低火力だと、2時間×2,000日以上かかってしまうイメージです。(逆に非効率)

 

「低火力の土鍋型」ではなく、「高火力の圧力鍋型」が短期合格者の王道です。

 

また、社会人受験生(合格者)のスケジュール感(勉強方法)についても上述した通り、合格者の勉強方法は「学生も無職も社会人」も変わりません

 

変わるのは、「時間の確保の仕方」だけです。

 

「合格者の勉強方法」や「時間の確保の仕方」「質を高める方法」などは、また別の機会に質問を受けた際に、詳細に解説します。

 

お楽しみに!

 

下記は、LEC生に固有のアドバイスになります。(LEC生以外の方は読み飛ばして下さい。)

 

質問者さん、入門期あまり本気出して勉強していないでしょう?

 

「勉強の現在のフェーズとしては、答練を受けはじめていて」という質問内容と現在(7月)の勉強時間との間に乖離がありすぎです。

 

初めから、今の勉強時間を確保していれば、答練なんて軽く4〜5周ぐらい終わっているはずです。

 

入門答練の第1回なんか、昨年の12月に終わらせてしかるべき状況です。

 

つまり、エンジンがかかるのとアウトプットに注力する(入門答練を受ける)のが遅すぎです!

 

入門講義中にも

 

「いい加減、決断をすべきだ。」

 

「入門期はとにかく簿記と管理の演習に徹して欲しい。」

 

「答練からは逃げてはいけない。」

 

「スケジュールに間があく上級までに答練は最低3周は回す必要がある。」

 

といった指摘をしてきました。

 

これを質問者さんが自己都合で勝手に解釈してきた蓋然性が高いです。(社会人受講生の悪い癖です。)

 

学生受講生は良い意味で、素直に受け取ってくれる人が多いです。だから、本当に合格も早いです。(本当に。)

 

「WEB受講だから。」は関係ないです。通信も通学も同じ内容の講義ですから。(通信生でも私の指摘に従って、カリキュラムを死ぬ気で消化している人はめちゃくちゃ大勢います。)

 

やらなくても良い理由をつけだしたら、受験敗者の仲間入りも同然です。

 

入門講義で私が、かなりの時間をかけて雑談をしている意味を汲み取って下さい。

 

決して、喋りたいから話している訳でも面白いから話したい訳でもありません。

 

早く合格後のイメージをつけて、早く勉強に関する意識(モチベーション)を合格者レベルに引き上げて、勉強時間を徹底的に確保してほしい。

 

入門初期の意識で合格することは100%絶対に不可能です。(具体的には財務入門20回ぐらいまでの意識)

 

だから意識改革を急いでほしい。これが雑談の本当の狙いです。

 

質問者さんが、社会人合格者に固有の勉強量を質問している時点で、

 

「社会人なのだから、時間がなくても当然でしょ。」

 

「松本講師は、ウルトラCの解決策を持っているのでは。」

 

という、どこか他人事、絵空事の認識と自己を正当化する姿勢が私には透けて見えます。

 

「メンタル面が最も重要な点は痛感しております」が本当なら、合格者マインドでの勉強が徹底されているなら、そもそも、「この質問」自体をして来ません。

 

「私含め、他の社会人受験生にとって有益である質問だと我ながら思います。笑」

 

という質問者さんの回答に

 

うん。有益な質問だと私も思います(笑)

 

この(笑)は「入門期で、あれだけ熱意を込めた雑談の意図が伝わっていなかったか。。。」という苦笑いです。

 

受講生に伝わらない雑談なんて、本当にゴミ時間同然ですからね。

 

最近、止めようか結構真剣に悩んでいます。

 

ここまでを見て、思い思いに感じるところがあれば、或いはマジでやばいという危機意識が芽生えてくれたのであれば、この質問は「有益である質問」になったのだと思います。(笑)

 

この(笑)は「この質問に対する回答に刺激を受けて、LEC受講生のステージが上がれば、間違いなく合格者は増えるな!」という笑顔です。

 

以上です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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