Q012:監査法人で活躍できる人について
松本先生
こんにちは。
合格までの受験期間の長さ、合格時点の年齢の若さは監査法人での活躍において相関はありますでしょうか?
私自身、少し受験期間が長引いていまして、ふと「受験の時点でこんなに手こずっているなら、監査法人に入った後も活躍できないかもなー」と気持ちが落ち込む事があります。
実際のところはどうなのでしょうか?(匿名希望)
どうも、松本です。
これは良い質問ですねー。(池上彰風に。)
会計士業界では一般に、合格年齢が若い人ほど、優秀とされる傾向は確かにあると思います。
☆優秀な学生が備え持つ7つの力
1.自分の将来像と適性を早いうちから見定める自己分析力
2.会計士試験の全体像をいち早く掌握できる俯瞰力
3.バイトやサークル等のノイズに左右されず勉強できる忍耐力
4.リスクを取って、試験に全てを捧げる決断力
5.すぐに勉強に取り掛かれる行動力
6.若さゆえに備わっている柔軟な思考力
7.若さゆえに備わっている体力
これらの要素(○○力)は、年を重ねるごとに(意識をするしないに関わらず)衰えていきます。
優秀な学生ほど、とてつもない勉強時間をこの試験に費やす覚悟と決断ができている人が多いです。
「会計士面白そう。絶対受かってやる!」この想いだけで、一心不乱に勉学に邁進します。
だから結果が出るのが早いです。
しかし、これはあくまで「ペーパー試験」においての話しです。
監査法人での活躍となると、これは別次元の話になります。
若い=優秀と見られますが、それは「スペック」についてです。
質問者さん、安心してください。
合格までの受験期間の長さ、合格時点の年齢の若さは監査法人での活躍において相関はありません!!
むしろ、受験でそこまで手こずっているからこそ、監査法人に入った後に活躍できるのです!
私がKPMGにいた時は、受験期間が長い人ほど、低姿勢な人が多くクライアントからの信望も厚かったことを記憶しています。
逆に大学3年で現役合格したけども、上から目線が鼻につくとの苦情がパートナーに入り、アサインをはずされた事例も知っています。
(早実や塾高からの内部生は「超優秀な人(7割)」と「超ポンコツな人(3割)」に完全に二極化していました。)
初期のパソコン研修の際、「PCを立ち上げて下さい。」という研修講師の話の意味が分からず、「PCを持って本人が立ち上がる(起立する。)」という伝説的な後輩もいました。(注:実話です。)
下記は、誰しもが経験するであろう3つの壁です。
1.受験失敗(大学受験や会計士受験にて壁にぶつかる。)
2.社会不適格(社会に出て壁にぶつかる。)
3.失恋など(異性との人間関係で壁にぶつかる。)
3を経験しないと、「異性にとって魅力的な人」にはなれません。
1は合格すれば、一段ステージを乗り越えることができます。(大学受験の失敗を会計士試験でリベンジすることも可能です!)
長い人生を考えたときには、2が一番しんどいです。
但し、2で成功しているからと言って、他の壁にぶつからない訳ではありません。
松居一代のように、社会的経済的に大成功を収めても、夫との人間関係で壁にぶつかる人もいます。
また、2の失敗を2で取り返す人もいます。
ドナルド・トランプは今でこそアメリカ大統領という地位を手にしていますが、過去4度の破産歴があります。
努力しているのに上手く行っていない人は、後から必ず上手く行く時が来ます。(「努力している」というのが重要!)
逆に今、上手く行っている人は、後から上手く行かなくなることも多いのです。
「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」とは平家物語。
栄枯盛衰よろしく、いつの時代にも「諸行無常の響き」はあるのです。
何でも思い通りにはいかないものです。
下記の格言は私の大好きな人の言葉です。
壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。(イチロー)
会計士試験は試験委員という人が作ります。
人が作りし壁は、人の手で必ず乗り越えることができます。
受験での苦労は、今後の未来を生き抜く上でかけがえのない財産(無形資産=のれん)になります。
会計の世界とは異なり、自らのB/Sには「自己創設のれん」を計上することも可能なのです。
その「のれん」が社会に出て、良き超過収益力の原因になってくれます。
「遅咲き」という言葉がある通り、人生のピークは間違いなく合格後に訪れます。
受験期間が長くなってしまうと、どうしても考えが閉鎖的かつ卑屈になりがちです。
でも、ご安心を。
ここを乗り越えた先には、これまでの鬱憤を一気に晴らすボーナスステージが待っています!
本当にもうあと少し。
絶対に諦めずに頑張りましょう!!
人として、受験講師として応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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